無料カートと有料カート違いは?

ECスタートアップ特集/ECの教科書
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ネットショップ開設にあたり、絶対に必要になってくるのが「カートシステム」です。
検索していると「無料カート」と「有料カート」があって、同じなら「無料」がいいに決まっているけど、どんな違いがあるのかよくわからないと悩まれる方が多いですね。

それぞれのカートの「メリット」「デメリット」を解説していきますが、まず明確にしておかなければならないのは

「どんなショップを目指すのか」です。

【ECスタートアップ特集】モール出店と自社サイト出店ってどっちがいいの?
上記の記事でも書いていますが、ネットショップを始めるにあたって「目指すショップの規模感」を定めることが重要です。
コンセプトが曖昧のままでは、ショップを開設する「場所」、利用する「システム」、その他諸々準備決定する場面で選択を誤り失敗のリスクが高まります。

カートシステムについても「無料カート」はダメ、「有料カート」なら必ず成功するというものではないのです。
これを踏まえた上で、無料カートと有料カートの違いやメリット、デメリットについて理解を深めて頂きたいと思います。

無料カートについて

無料カートで検索した時によく見かけるところだと「BASE」「easy myShop」「STORES.jp」「FC2ショッピングカート」あたりではないでしょうか?

メルカリなどフリマアプリの市場が急成長したことで、個人間での売買が盛んになり趣味のハンドメイド作品などが簡単に「売れる」時代になりました。
そこで、趣味を「商売」にしようと思う人が増えそのツールとして「無料カート」の利用者が増えている背景があります。

無料カートのメリット

無料カートのいいところといえば、なんと言っても「無料」で利用することができるところです。

また、ネット通販ビジネスの専門的な知識がなくてもサイトのイメージ画像や商品画像、設定など行えるようになっているのでまさに「素人さん」向きのシステムになっています。
「モール出店」か「自社サイト出店」か?でいうところの、メルカリで販売するか自分のサイトをつくって販売するかの違いと似ているかもしれません。

趣味のハンドメイドの販売等の場合、ネットショップ開設に大きな費用を投資して始めるのにはリスクがあります。
得られる利益の想定から考えて、無料カートを利用するのが賢い選択だと言えるでしょう。

無料カートのデメリット

カートシステム自体は「無料」で利用できても、モノを売るための「仕組み」には費用がかかります。
カートシステムを無料で利用できる分、こういった「仕組み」に対する「手数料」が割高に設定されています。

例えば、商品が売れた時に発生する「決済手数料」
決済(コンビニ払い、クレジットカード、銀行振込など)を代行する会社に対して手数料が発生するのですが、こちらがだいたい4%〜5%くらい、プラス数十円程度上乗せされて売上金から差し引かれます。
また、これとは別に「販売手数料」というものが設定されている場合もあるので、諸々差し引かれてしまうと粗利率は下がってしまうということも計算に入れておいて下さい。

そして、「無料カートのメリット」で解説した「専門知識がなくても簡単に設定が行える」という部分の裏を返すと、デザイン性・カスタマイズ性において機能の制限や制約が多いということも理解した上で選択する必要があります。

最後に、目指すショップによっては大きなデメリットになりうるところで「独自ドメイン」に対応していなかったり、有料のオプションになったりするというところです。
独自ドメインについては、「有料カートについて」で解説します。

有料カートについて

有料のカートには大きく分けて3つの種類があります。

パッケージシステム(個別のショップ専用にカスタマイズされたもの)

フルスクラッチ(個別のショップのために0から構築するシステム)

ASP/SaaS型システム(データをインターネット上に保存・管理し複数のショップで共有できるシステム)

今回は、「無料カート」との比較検討という題材なので一般的にも利用者の多い「ASP/SaaS型システム」について解説します。

有料カートのメリット

「有料」であるからには、その理由があります。
「無料カートのデメリット」の最後にあげた「独自ドメイン」の対応が、基本的に標準対応であることがまず大きなメリットになります。

ドメインとはインターネットにおける「住所」の役割を果たすものなので、これが「独自」であるかどうかネットビジネスにおいてとても重要になってきます。
利用者がネット検索をする際、検索結果を上位に表示させるよう対策する(SEO対策)が、独自ドメインであれば自由に行えるのに対し複数のショップで共有されている「無料カート」では自由に行うことができません。

他には、ショップの規模感によって影響をうけるところで「容量」の大きさです。視覚的な情報を求められるネット通販において「画像数」や「商品数」は重要であるにもかかわらず、容量が少ない場合は制限され妥協しなければならなくなってきます。
有料カートの場合、カート会社によって幅はあるものの「無料カート」と比較した場合は大きく差が出ます。

容量が確保できることで、サイトの見せ方など自由に表現できることにプラスして「デザイン性」の自由度も増します。
テンプレートを使用する場合でもレイアウトのパターンが有料カートの方が断然上回っています。

最後に、有料カートのメリットといえば「機能の充実」です。
「出品して商品を並べるだけ」では、ネットショップとして成り立ちません。
「集客」「離脱防止」「継続率アップ」といった「売れる」ために必要な機能が備わっているから「有料」の価値があると言えるのではないでしょうか?
これらの機能に投資することで、「利益」を大きくすることが可能になります。

更に、「有料のカート」というくくりの中でも装備されている「機能」の違いがあります。

例えば「定期購入機能」があるものとないものがありますし、有料カートでも「デザインの制限」が縛られるものと完全に自由なものなどがあります。
これらをまた選定するにあたり、最初に述べた「どんなショップを目指すのか?」というコンセプトが大変重要になってくるわけです。

この辺りはまた奥が深いので、別の記事で解説させてもらいます。

有料カートのデメリット

「有料カート」なので、当然ではありますが利用するために「費用」がかかることです。

どのカート会社もたいてい数パターンの「料金プラン」を設けています。
利用できる機能によって料金が違ってくるものが多いと思いますが、単に「機能が多い」というだけで高いプランを選ぶのは賢明ではありません。
スタートアップの段階で初期投資が大きすぎて運営がままならなくなっては元も子もなくなってしまいますので、目指すショップのコンセプトと照らし合わせ最もベストなものを選びましょう。
そうすれば、「有料カート」のデメリットはデメリットではなくなるはずです。

他には、ある程度の「専門知識」が必要になる設定などがあります。
これに関しては、契約するカート会社にカバーできるサポート体制はあるのか、支援の面も確認することをおすすめします。

まとめ

無料カートと有料カートの違い、メリットとデメリットについて解説してきましたが「どっちがいいの?」という疑問について解決できましたか?

要は「どんなショップを目指すのか」というコンセプトによって正解が導き出せるということですね。
判断材料として、どんなショップが「無料カート」「有料カート」それぞれに向いているのかをまとめておきます。

無料カート向きのショップ

具体的なコンセプトはないけど、試しにサイトを体験してみたい

趣味のハンドメイドがフリマアプリで人気が出たので自分でショップを出してみたい

難しいことはよくわからないけど、無料だし手軽なのでやってみたい

「まずはお試し」的な、本格的に勉強したり投資したりはしないけれど「売りたいもの」があるので自分のショップを開いてみたい。
というコンセプトの人には、無料カートが向いていると言えます。
無料とはいえ、ネットショップとしての基本機能は備わっているのでチャレンジしてみるといいでしょう。

有料カート向きのショップ

本格的なブランドショップとしてECを始めようと思っている

法人としてそれなりの売上規模を見込んで始めようと思っている

個人だけど最低でも50万円を超える売上のECを目指している

ECサイト開業に残りの人生をかけている

きちんとした「ビジネス」として、ネットショップを立ち上げたいと思っているのなら「有料カート」の選択肢しかありません。

そして、「有料カート(ASP/SaaS型)」のジャンルの中でも、それぞれ特長や料金体制、機能など様々なものがあるので選択しなければなりません。

最後に、失敗しない「ECスタートアップ」に、参考にしていただきたい記事とサービスを紹介します。

【ECのミカタ】従量課金・データ移管必要なしのECカートを紹介。スタートアップから大手企業まで充実の機能搭載
https://ecnomikata.com/original_news/24547/

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