ECを成功させる「スタートアップの心得」第2部

ECスタートアップ特集/ECの教科書
ECを成功させる「スタートアップの心得」第2部

《第2部》
ECを成功させる「スタートアップの心得」

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「第2部」では、あなたのショップを知ってもらうための「集客」について解説していきたいと思います。
ECの開業にあたり、既に広告についても色々と勉強されていると思いますが、種類も多く複雑で完全に理解するの厳しいのではないかと思います。
そして「よくわからないけどプロに任せちゃえばいいや」と思ったりしていませんか?

「丸投げ」精神は失敗のもと

「代行業者を頼ってはいけません!」と言っているわけではありません。

ネットショップは1人でも運営できるというのが魅力のひとつでもあり、起業しやすいビジネスモデルとして人気があります。
それは、実店舗を構える必要もなく代金を支払えば業務を代行してくれる業者もたくさんあるからです。
広告運用代行に限らず、業務を「プロに任せる」ことは効率もよく、成果も見込めるので代行費用が確保できるのであれば当然悪いことではありません。

では、何がいけないの?

「わからないから業者に任せる」という精神がNG

少なくてもわたしは、大切なショップの業務を「わからないから丸投げ」という考えのもとで成功したショップに出会ったことがありません。

残念ですが、ECスタートアップのセミナーを開催すると必ずといっていいほど「丸投げ精神」の方が数人いらっしゃるのですが実現できないか、生き残れないという結末がほとんどです。

それに、スタートアップの段階ではイニシャルコストを準備するのがいっぱいいっぱいで広告予算まで手が回らないというショップも少なくないと思います。
「運用代行に業務を丸投げする」と簡単に言っても、かなりの費用がかかることも把握しておかなければ、広告を出したところでECの運営が続けられないということにもなりかねません。

基本的な知識の範囲で耳にしたことがあるであろう広告といえば「リスティング広告」「アフィリエイト広告」「ディスプレイ広告」などのインターネット広告(WEB広告、オンライン広告)あたりでしょう。
いずれも素人では運用できない難しい仕組みと思われがちですが、そんな事はありません。

わたしはお客様に「一度は自分で経験する」ことをおすすめしています。
なぜなら、知らないものを最初から外注したところで「いい」も「悪い」も判断ができないからです。
それによって、「質の悪い代行会社に無駄なお金を払い続ける」ことになったり「一生懸命頑張ってくれている代行会社に理不尽なクレームをつける」というケースが生まれます。

インターネット広告のいいところは「予算の上限が決められる」「成果に対してのみ報酬が発生する」といった少額のコストから始められリスクが少ないというところです。
リスティングなら「指名キーワード」だけでも入札して無理のない上限設定の範囲で運用するなど、仕組みを知るのは大切なことです。
その上で、信頼できるプロの運用代行会社と「一緒」に規模を広げていけば、納得いく「広告費」として投資できるのではないかと思います。

ですが、その前に。
大きなコストをかけずに「自分のショップを知ってもらう」ためにできることはないのか?

無料でできる集客

WEB上に星の数ほど存在している「ネットショップ」の中から「あなたのショップ」を見つけてもらうためには何かしらの「宣伝活動」が必要です。

費用をかけずにできることは限られています。
しかし、やるのとやらないのでは可能性と結果は違ってきます。
費用をかけた広告を行うとしても、並行してできることはやるに越したことはありません。

SNSで拡散

商材にもよりますが、ネット通販メインで考えられた商品であればSNSでの情報発信は自分でできる無料集客において必須だと考えて構いません。

SNSといえば、「Twitter、Instagram、Facebook」が代表的なところですね。
「LINE」も旬ですが、こちらはある程度の顧客がついてから利用するといいと思います。

SNSでも、有料広告が存在しますがまずは無料でできる範囲の活動を試みて下さい。
アカウント自体はどれも数分あれば発行できます。
また、SNSそれぞれ効果的に活用する特徴があるのですべてを管理、維持するのは手間もかかりますのでベストなものを選び複数運用する場合は優先順位をつけるといいでしょう。

Twitter(ツイッター)
主な利用者の年齢層は比較的低めです。(10代〜30代)
短文で、リアルタイムな情報を発信するのに向いています。(「タイムセール」や「キャンペーン」の情報など)
拡散力という部分では群を抜いているので、当たれば大きな起爆剤になる可能性があります。
【リアルタイムで情報を知りたい】

Instagram(インスタグラム)
主な利用者の年齢層は徐々に幅を広げていますが(10代〜50代)メインは20代〜40代といったところです。
視覚的要素がほとんどなので、アパレルとの相性が抜群です。
商品のパッケージやデザイン、商品そのものの第一印象が「華やか」であったり「面白い」「美味しそう」というインパクトを与えられるものに向いています。
【視覚からの情報を求めている】

Facebook(フェイスブック)
実名登録を基本にしていることから信頼度が高めで、利用者の年齢も高年齢層が他よりも多いのが特徴的です。
低年齢層は「フェイスブック離れ」という傾向も見られますが、「物を買える経済力」「インスピレーションよりも内容を知りたい」などの安定した年齢の層が多く利用しているので「商品の良さ」や「コンセプト」を丁寧に提供したい場合はFacebookが効果的です。
【信頼できる情報を入手したい】

自分のショップではどのSNSをメインに運用すればいいのか?
ターゲット層や商材に向いているものを考えてみて下さい。
また、それぞれの特長を活かして効果的に利用できるといいですね。

インスタグラムでは、外部のURLを表示できる場所がプロフィール欄の1箇所しかありません。
画像で魅力を伝えて、セールやキャンペーンの告知などはツイッターに誘導させて販促に利用するのが効果的です。

フェイスブックは単独でも簡単なHP(ホームページ)の役割が果たせるくらい機能が充実しています。
インスタグラムやツイッターと比較してみても、訪問者と密度の高いコミュニケーションが取りやすいと思います。

いずれも気軽に始めることはできますが、継続するのはそれなりに根気が必要です。
最初だけ張り切って対応していても、途中からコメントを放置してしまったりでは印象を悪くしてしまいます。
ファンを増やせるよう、気長に育てていくことが大切です。

また、広告とは別のお話ですがECを運営する上でとても重要な対策として「SEO対策」というものがあります。
こちらはまた別の記事で解説したいと思います。

まとめ

「あなたのショップを知ってもらう」ために様々な広告手段がある中で、まずは「無料ですぐに実行できること」としてSNSを利用した集客について紹介いたしました。
最初にどうしても心得としてご理解いただきたかった「丸投げ精神はNG」という部分については今回の記事では直接的な説明はしていませんが、これを是非念頭において「無駄な出費」で痛い目に遭わないお守りにして頂きたいと思います。

別の記事で「有料広告」について詳しく解説していきたいと思いますが、無料とはいえ手間ひまかけて獲得した「ファン」や、費用をかけて獲得した「顧客」も無駄にしてしまわないために最も大切なことがあります。

ECで売上を上げるためのステップとして、集客の手段である広告費は「必要なコスト」です。
しかし、それ以上に「売上を伸ばし安定させる」ために重要なのは「お客様を抱え込む仕組み」です。

広告は「売上を伸ばす」手段ではなく「お客様を集める手段」です。
集客の仕方によっては「売れば売るほど赤字」というのは珍しくありません。
そのお客様に継続して購入してもらうことで、売上を伸ばし安定させる事ができると考えて下さい。

ECのスタートアップ時点で、誰もがコストを抑えてスタートしたいと思うでしょう。
この時の、コストの「かけどころ」「抑えどころ」が明雲を分けます。

「売上を伸ばす」施策が実行できるかどうかは「カートシステム」の機能次第だとも言えます。

「無料」カートでとりあえずスタートして軌道に乗ったら改めて検討すればいいか?と思うかもしれませんが、「カートシステム」の移転となると、労力とコストがかかる上に「お客様のパスワード」や、特に定期購入の場合は継続課金で利用している「クレジットカード情報」などが移転できずに、かなりの機会損失が生まれてしまうこととなります。

そのため、最初から十分な機能が揃っていて、費用の予測が立てやすいシステムを選択することが大切です。
「とりあえずスタートアップのうちは」という考え方は大きく伸びるタイミングで足かせになるので結果的に大きなロスに繋がります。

つまり、「カートシステム」選びは「とりあえず」と妥協してはならない重要なポイントになります。

「機能はあるけど設定が難しくて使いこなせない」「そもそも機能が備わっていない」なんてことのないように、カートシステムの選定は慎重に行って下さい。

無料カートと有料カートの違いがよくわからないという方は、こちらの記事も是非参考にして下さい。